【shopify】ECサイト運営に必要な業務
shopifyに限らず、初めてECサイトを制作する事になる際に、実際に社内業務として必要になる要素がなかなか見えてこないかと思います。
ある程度は事前に把握しておくことで、社内の誰が?どの部署が?様々な業務に対処できそうかを想定しながら新規のプロジェクトを進める事が出来ると思いますので、ざっくりと全体の業務を確認していきましょう。
この記事を読むことで、業務内容は思いのほか多岐にわたる事はわかると思いますよ!
目次
全体の業務をまずは把握
ECサイトを作ると言う事はつまり「お店を作る」と言う事になります。
実店舗の事を想像するとやる事はある程度見えてきますが、たとえばECサイトですので「販売」に関しては機械化される事になります。
ECサイトですからお客様にその場で商品を手渡しするわけではありません。
そう言った事も踏まえて全体の業務を箇条書きすると
絶対にやらなくちゃいけない業務として
- 商品の仕入れ
- 商品の陳列
- 商品の発送業務
- 売り上げ伝票の管理
- 入金管理
- 法務的な管理
の業務が該当してきます。この辺りは商品を売る為に絶対にやらなくてはいけません。
その他に絶対ではないけど、やらないと売り上げが上がらないので
必然的にやらなきゃいけない業務 と言うものも出てきます
- 新規集客
- リピーター獲得
- 顧客管理
- 改善業務
お店としてこれも当然の施策と言えば当然なのですが、ECサイトをオープンする際に意外とイメージがわかない分野でもあります。
黙っていて新規の顧客が来てくれるわけもありません。この辺りを順を追って説明していきましょう
絶対にやらなきゃいけない業務
ここはもう完全にお店を運営するうえでなくてはならない必携業務です。順を追って見ていきましょう
商品の仕入れ
ECサイトもお店です。商品は仕入れてこないといけません。
もともと店舗経営をされている場合は店舗の商品と共有することも出来ますし、さほど考えなくてもいい分野かと思います。
初めてECサイトをやる飲食店さんだったりすると、どうやってパッケージ化するのか?(真空したり、成分表付けたり)を考える必要が出てきます。そうすると当然、今までなかった業務が発生しますので、どこの誰が担当するのかはあらかじめ考えておかないとならいない仕事です。
他にも例えば「DtoC」と言われる最近の流れで「卸の会社」が「個人」に販売する場合も卸とは違う枠組みで商品設計が必要です。
アパレルの場合はネームタグどうする?とか卸の時とは違う業務が少なからず出てくるので、そう言ったことも何が必要なのかをはっきり管理しておきましょう。
そもそも仕入れない。無在庫でやる!と言うパターンもあるかと思いますが、その際は売れた時の商品の手配をどうするのか?をしっかりと売れた瞬間から商品発注→発送までのフローチャートなどを作って確認しておきましょう。
商品の陳列
商品は仕入れただけでは当然売れないので、ECサイト上で販売するためには「商品登録」をする必要があります。
商品登録の業務的に果たして簡単でしょうか?
shopifyの場合、慣れてしまえば登録する業務自体はさほど難しくなくなるはずです。また大量商品の登録には専用のExcelテンプレートを作っておいて、それを埋めることでcsvとして流しいれる。そんな風に機械的に簡素化させることも可能です。
登録作業そのもの自体はさほど難しくない
気が付かないといけない要素としては登録作業その物よりも登録前の作業です。
商品を仕入れた時その商品の写真は手元にあるでしょうか?・・・物によっては用意されているものもあるでしょうがオリジナル商品を扱う場合はまず間違いなく「ない」状態です。
そうなる必然的に「商品の撮影」をしなくてはいけませんが、社内に専門のカメラマンがいるわけもなく、どうやって撮影するのかが大きなポイントになります。
スマホでパシャっと撮ってしまえばOKか?と言うと「物撮り」程、プロと素人の差が出る物はありません。光の当て方、影の演出などなど出来そうで出来ないのが「物撮り」です。
実際私も何回も挑戦してますけど、何回やってもプロの質には届きません。この差はお客さんにも如実にわかってしまうので、そこをどうするのかは常々問題になりやすい点です。
それから商品説明で使う文章も文章だけなのか?それとも、もっとリッチなバナーも作って、きれいに見せていきたいのか?によっても商品登録前に準備しなくてはいけない事は大きく変わってきます。
あらかじめこの点は真剣に考えておかないと、誰もやらない放置されてしまうECサイトの典型事例にノミネートされてしましますのできっちりとその業務フローはシュミレーションしておきましょう。
商品の発送
ECサイトなので「販売」その物、レジ業務的な物は「人を割く」ことに関してほぼ無視していいのはいい所ですが、手渡しするわけではないので有形商材である以上は送らないといけません。
ECサイトを運営するうえで一番重要な作業
と言ってもいい作業だと思います。さらにこの部分に関しては相当の業務量があるのを覚悟しておくことが必要です。
商品が売れてから発送するまでを想像してみてください。
まず受注された時点で「伝票を作成」するかと思います。いま利用している基幹業務にも当然入力などの作業が発生するでしょう。その出来上がった伝票をもとに「商品をピックアップ」して「梱包」する作業が発生します。
ピックアップは当然、注文ごとに別々の物をピックアップしますし、梱包のサイズも商品によって変わる可能性があります。そもそも梱包用の箱を用意しているでしょうか?どこから買ってきましょうか?
梱包部分だけでも
- 誰が伝票記入
- 誰が梱包材を用意
- 誰が梱包する
を業務として把握しておく必要があります。
その上で発送する為に使う業者はどこでしょうか?
たいていは「ヤマト」「佐川」「ゆうパック」が3大業者だとは思います。そもそも卸売りなどしている場合は、すでにそのどこかの業者さんとお付き合いがある事もあるかと思いますが、そうでない場合はどこを使うのか?も考える必要があります。
そして面倒くさい作業として「発送伝票の作成」と言うものもあります。
ECサイトの場合は卸と違って同じ場所に何回も送らないですから、都度記入していくのでしょうか?
その辺りは「手入力」する方法と「自動化」する方法が両方があり、当然自動化は幾分か費用もかかります。とは言えたいていは導入することになります。そう言ったシステムを使いこなせるか?と言う部分も重要な確認事項です!
伝票と入金の管理
今までにない業務で意外とECを担当する人が見落としがちなのが、お金の管理です。
売り上げの伝票に関しては発送作業の部分で発生した社内基幹システムの物と、shopify上のデータを付け合せる必要と言うのは出てくるでしょう。
そしてそれが売れた瞬間に入金されるわけではありません。
そもそも販売した時の決済手段によって入金経路と言うのは変わってきます。
いざん書いているコラムにも書きましたが、入金される経路は意外と多岐にわたります。
会社の業務なので月末で伝票の処理をすることになる時に、EC担当者は経理担当者に必ず「この売り上げなに?」など聞かれることになります。そう言ったときに
- どこのデータを参照すべきなのか?
- どうやって抽出できるのか?
- そして誰がそれをやるのか?
この辺りの業務もあらかじめ想定していかないと、経理処理が出来ず大変な思いをしてしまいますので、あらかじめ想定をしておきましょう。
法務的な業務
通常の販売にも当然「販売用の法律」と言うものがありますが、ECサイトには「通販用の法律」と言う物があります。例えば「特定商取引法」で定められいるためにサイト上のどこかには必ずサイト運営者の情報を記載しておかなくてはいけません。
また定期購入をする場合には、その販売が定期購入である事を明記し、初回無料のあと2ヶ月目から料金がかかる事も、誤認が起きないように明記する必要があったりもします。
また売れた後の処理としても「クーリングオフ制度」などを消費者は利用が出来るため、返品特約などで記載を何もしていない場合には返品に応じる必要が出てきたりもします。
その辺りの法律的な対応と言うのも必要になってきますので、法律の確認もしておきましょう。
僕の得意な業界で「お酒」なんかは法律の厳しい所で、店舗販売用の免許では通販は出来なかったりする為、「通販用」の免許を取得する必要があったりもします。
業種ごとに特殊ルールがある場合もあるので、注意が必要です
越境ECではさらに注意
shopifyは越境ECがやりやすい環境がシステム的にはかなりしっかりと用意されているので、間違いなく世界一越境ECをしやすいプラットフォームですが、法律部分と言うのは「相手国次第」です。
例えばアメリカに物を売りたいと思えばアメリカの「VAT」に登録して、現地の法律に従って付加価値税の申告などもしなくてはいけません。
正直言ってこの辺りはアメリカの法律に詳しい人でないと対処不可能です。どこにそれを依頼できるのか?いま会社でお世話になっている税理士事務所は対処可能か?など確認する必要があります。
また商材によってインボイスや関税用の書類など様々な準備が必要です。正直に弊社のようなWEB制作会社が法律に関して責任を持てるかと言えば不可能です。商材に応じて必要な書類が何かの判断も制作会社が出来るパターンはほぼないでしょう。
各々の国向け、商材によってに専門家がいると思うので、そう言った専門家に依頼する過程が挟まる事も想定しておきましょう。
必然的にやる必要がある事
絶対に必要な部分も意外と業務量が多いことが分かったかと思いますが、それ以外にも業務をしないといけない部分が「どうやって売るのか?」と言う戦略部分です。
ECサイトを制作してネット上に公開すればそれで商品が売れていくのか?と言えば、残念ながらそんなに甘いもんじゃございません。
新規集客
お店をオープンした瞬間と言うのは本当に「砂漠のど真ん中に出店」したのと同じ状態です。人通りなんて全くないわけですから、そこにわざわざ訪れてもらわない事には商品は売れないのです。
詳しくはこちらに書いてあるのをご参照いただければと思いますが、集客方法は大きく分ければ2つにわかれます。
- SNS
- 広告
この2つが圧倒的にな2大要素で、一番お金がかからない方法は、SNSの自社運用です。自社で運用出来れば費用はかかりませんからね。
しかし実際問題SNSを自社で運用するのは大変です。
基本的には「毎日投稿」のように認知を広げる為の運用をしていかないといけませんから。SNS初心者である自社の社員さんが、それを成功させる可能性と言うのは正直言ってきわめて低いです。
弊社でも投稿のポイントや、やらなくてはいけない事をレクチャーをする事は出来ますし、やって頂ければ成果を出せると思いますが、言われた事をやろうとすると思いのほか大きな業務量に、継続できるお客さんが正直少ないので実情です。ですので自社運用の場合、かなりのガッツと長い年月(年単位)の計画が必要だと思います。
それに比べてお金をかける方法はもっと効果的で即効性もあります。当たり前と言えば当たり前なのですが。
例えばSNSの運用でもプロに任せる方法があります。
毎日投稿やコメントへの返信、投稿内容のプロデュースなど、多岐にわたった業務をしている会社が世の中には沢山あります。
そしてライバルはそう言った会社を利用しているショップだと言う事も忘れてはいけません。それだらか、SNS運用代行と言う会社は無数に存在するわけです(そこに価値があるからです)
もう1つの即効性がある方法は圧倒的に広告です。広告はお金さえ書ければgoogle検索で上位に表示されるわけですし、Facebook広告やYouTube広告色んな手段がありますが、何せ絶対に人目に付きます!
広告の出稿精度にもよりますがほぼ確実にアクセスまでは導く事が出来るので、即効性としては圧倒的に高いわけですが、費用的にも圧倒的に高いです。また本当に効率の良い広告を出稿する為には専門的な知識もかなり必要になります。
例えば「KPI、ROAS、CVR」と書かれていても抵抗がないぐらいの知識がない場合は出稿しても精度が低く集客はするけど、お金も物凄くかかる。と言う状態を脱せませんので、ここにも社内で人を割くのか、外部に委託するのか?と言う選択肢が出てきます。
リピーター獲得
首尾よく新規で顧客を獲得できたとしましょう。そうなると次は2回目を買ってもらう必要と言うのも出てきます。これがいわゆるリピーター施策ですが、普通の店舗で考えてみれば「常連さん」を作ると言う事になります。
常連さんが出来やすいかどうかは商材によってやり方は当然変わってきます。
例えば日用品などの場合はサブスク契約が最初から狙える場合もあります。月一で届く石鹸とか毎週届く野菜とか、常に消費され続けるものであれば「減る」ので「補充」する意味でも獲得しやすいのは判るかと思います。
いっぽう一家売り切りの「机」とか売った場合はいかがでしょうか?もう1度同じ「机」はそうそう売れません。ので、机の上に置ける収納用の引き出しとかディスプレイアーム、電気スタンド等、別商品を買ってもらうようなリピーター施策が必要になります。
いずれにせよ継続してお付き合いいただくには「最初に買ってもらった商品」に満足してもらう必要はあるので、商品力は当然大事ですが、それ以上に「誰から買うか?」とう言うのが最近は大きな要素になっていると言われています。
その為にメールマガジンで覚えてもらって、親近感を持ってもらったうえでさらなる追加購入促したり、チャットボットの様なもので常に身近に「あなたの事を考えてますよ!」と言うお客さんにとっての距離感を近く感じさせてあげるような方法が増えてきます。
ですが、近ければ近いほど・・・人手って必要になってきます。新規立ち上げの際はリピーターの事よりも新規の方が圧倒的に大事なので、最初から考えなくてもいい点かもしれませんが、将来的にECサイトを運営する上では欠かせない要素です。
ここにもどう考えても人手を割かなくてはいけないと言う事を頭には入れておきましょう。
顧客管理
買ってくれたお客さんのデータは時間の経過とともにドンドン貯まっていきます。これを「顧客リスト」と呼び、そのECサイトにとっては何よりもかけがえのない財産だと思って下さい。1度購入してくれた方々ですからリピーター施策をする際にももちろん大活躍してくれます。
ただぼーっと眺めていればいいわけではありません。
この膨大なデータからは「これを買ってる人はこれも買ってるな」「この年齢層にこれが売れてるのか?」等の売上を上げるためのデータが満載なので顧客リストです。
分析するのにも大きく役立つ顧客管理ですが、そもそも大事な顧客データですから社内でアクセスできる人はどこまでなのか?そうなると権限的にいじれる人は誰になるのか?などもしっかり決めておかないといけない分野でもあるので、人のやりくりについては「権限」も踏まえておきましょう!
改善業務
日常業務と販売の為の戦略で大きな人手を使う事がわかったうえで、さらに売り上げを上げるためには業務を改善して行く必要もあります。
様々なデータや、商品を見ながら間違っている事の訂正は勿論、予想外だったことをもっといい方向に伸ばそう!これはやめよう!と言う取捨選択をしていくわけです。
その為にはホームページその物の改修が必要な場合もあれば、広告の内容や、SNSの投稿内容を変化させることで解決できる問題もあるでしょう。いずれにせよ何もしないと没落しかしませんので、何か新しい改善をし続けなくてはいけないのがECサイトです。
その為に必要な領域と言うのは
ホームページその物の改修
- 広告やSNSの見直し
- 商品の見直し
- etc
いつまでも終わりは来ません!やりながらその時の「ベスト」ではなく「ベター」を見つけに行くような作業が必要になってきます。
しかし、よくよく考えればビジネスなので皆そうです。ECサイトだとその辺が自動化してなんかわーっと売れると言う物ではないのです。
まとめ
ここまで書いた事がECサイト業務の全部ではありませんが、少なくともやらなくてはいけない業務量と言うのがいかに多いか!と言う事は何となくでも掴めたのではないでしょうか?
日常業務
- 商品の仕入れ
- 商品の陳列
- 商品の発送業務
- 売り上げ伝票の管理
- 入金管理
- 法務的な管理
- 新規集客
- リピーター獲得
- 顧客管理
- 改善業務
こんな大量の業務こなせない
そう思って何もしない場合は現状維持です。業務量は多いのは間違いないですが、出店料は実店舗を出すよりかやはり相当安く済むのと、商圏が限られないのは実店舗を出店する事とは大きな違いです
やるのは思った以上に大変ですし、成功するまでも非常に大変です。が、
やらない事には絶対に成功も出来ない
これもまた事実です。
自力で出来るところは、なるべく内製化出来る方が費用も抑えられるのと、成果も出やすいとは思います。ただ業務の守備範囲もあまりに広く、マーケティング的な要素も必要ですが、そもそも日常業務をこなすために増える新しい項目と言うのが想像頂けたかと思いますが、少なそうに見えて毎日の中に30分が混ざって来るだけでも「あれこんなにやる事あったっけ?」となるのがECサイト運用の日常になります。
荷物パッキングして送る
って結構な重労働です。伝票は作らなきゃいけないし。
このブログを読んだ方はどれだけの分量がこれから降りかかってくるのか?その辺りも吟味しながら、なるべく日常業務と言う「作業」ではなく売れる為にやれる事にいかに時間を割くかを考えて行くのがベストです。
よく「どれだけ本業に集中できるか?」なんて言うのが課題になるので、その辺りは専門家と相談しつつshopifyでは様々な自動化を行う事も出来るので、システムを使える所を上手に取り入れた、売上を上げやすいECサイト制作を目指して下さい。